大都会・東京。
大小様々な美術館・博物館がひしめく美術都市ですが、はたしてどこから訪れたらよいのか迷ってしまいませんか?
そんなあなたに、都内でミュージアム巡りをして十数年の筆者が目的別におすすめの美術館・博物館を14館ご紹介します。
興味に合いそうだと思ったところから、ぜひ訪れてみてくださいね!
休館日等が変わっている可能性があるため、訪問前には必ず公式情報をご確認ください
以下、美術館・博物館と併記するのがまどろっこしいので、両方を指したい場合は便宜的に“美術館”にまとめています。
美術ブログなので“美術館”にします。ご承知おきください。
目的別おすすめ美術館
それでは目的別に実際におすすめを紹介していきます!
月曜日に行きたい
- 国立新美術館
- サントリー美術館
- 岡本太郎記念館
- パナソニック汐留美術館
- Bunkamuraザ・ミュージアム
- 森美術館
- 上野の森美術館
- 森アーツセンターギャラリー
まずは月曜日でも行ける美術館から。
月曜日が休館の美術館は、多数派と言えるくらい一般的です。
でも、仕事の定休日が月曜日だったり、急に思い立って月曜日に行きたくなることもありますよね。
ご安心を。
都内には月曜日に開館している美術館があります。
有名どころが上記の7館です。
結構ありますね。
国立新美術館とサントリー美術館、岡本太郎記念館は、休館日が火曜に設定されているので月曜日が開いています。
パナソニック汐留美術館は水曜日が定休日。
Bunkamuraザ・ミュージアムと森美術館は展覧会の開催中は原則無休。
上野の森美術館と森アーツセンターギャラリーは展覧会によって違うのですが、月曜開館のものもあります。
月曜日だからと美術館巡りを諦める必要はないのでご安心を。
★公式HP★
- 国立新美術館 https://www.nact.jp/
- サントリー美術館 https://www.suntory.co.jp/sma/
- 岡本太郎記念館 https://taro-okamoto.or.jp/
- パナソニック汐留美術館 https://panasonic.co.jp/ew/museum/
- Bunkamuraザ・ミュージアム https://www.bunkamura.co.jp/museum/
- 森美術館 https://www.mori.art.museum/jp/
- 上野の森美術館 https://www.ueno-mori.org/
- 森アーツセンターギャラリー https://macg.roppongihills.com/jp/
ゆったり静かに過ごしたい
- アーティゾン美術館
- 泉屋博古館東京
- 東京国立博物館(総合文化展)
東京の美術館は、入場するために長蛇の列に並び、会場内でも押すな押すなの大混雑。
そんなイメージがあるかもしれません。
コロナ禍で入場制限や事前予約制が取り入れられてマシにはなりましたが、大々的に宣伝されている展覧会は覚悟が要るほど混雑することもまだあります。
ですが、あまり混雑ことなく、ゆったり静かに過ごせる美術館もありますよ。
例えばアーティゾン美術館や泉屋博古館東京は、個人のコレクションを元に開館している、比較的小規模な美術館です。
展示の質は非常によく、改修されたばかりなので設備もきれい。
美術館好きにはファンが多いところなのですが、知名度があまりない?のか、そこまで混雑しない傾向にあります。
アクセスも良く、もっと人気が出てもおかしくないと思うのですが・・・。
混雑しにくいとは言え、展覧会の後半には混雑することもあります。
絶対にゆったり過ごしたいのであれば、会期の早いうちの訪問をおすすめします。
そしてもう一カ所、東京国立博物館の総合文化展を。
東京国立博物館で開催される特別展は、言わずもがなの混雑必至で有名です。
「阿修羅展」のような、マスコミ主催の、ポスターが街中に貼られまくる展覧会のことですね。
一方、総合文化展は空いているのもまた有名な話です。
総合文化展は、東京国立博物館のコレクションを展示するいわゆる常設展・平常展に当たるもので、展示替えがとても多いこともあって特別な名前がつけられています。
東京国立博物館については後の「できるだけ長居したい」の項で詳しくご紹介しますが、ともかくゆっくり過ごせること間違いなしのスポットです。
他にも穴場の美術館はたくさんあるので、ぜひ自分のお気に入りを開拓してみてくださいね。
★公式HP★
- アーティゾン美術館 https://www.artizon.museum/
- 泉屋博古館東京 https://sen-oku.or.jp/tokyo/
- 東京国立博物館 https://www.tnm.jp/
日本美術が見たい
- 山種美術館
- 根津美術館
東京都内には日本美術に特化した美術館があり、有名どころは上記の2館です。
まずは山種美術館について。
日本美術、特に絵画好きのメッカとも言える美術館で、絶対に外せません。
常設展はなく、期間限定の企画展が入れ替えで開催されています。
日本が誇る名コレクションの数々は見ごたえがありますし、技法などの解説も丁寧で分かりやすいので、日本美術初心者でも楽しめること間違いなし。
一度は行きたい美術館です。
なお、恵比寿駅からも15分くらいで歩いて行けますが、日陰がないので、酷暑の日は渋谷駅からバスを使った方が安全上よいでしょう。
そして根津美術館。
こちらも日本美術に強いのですが、茶器や仏具など絵画以外も充実しています。
中国の仏像や青銅器といった海外の作品もコレクションに入っているので、ジャンルをまたいで鑑賞できるのがポイントですね。
期間限定の企画展がある一方、だいたいいつでも見られる“顔”のような展示もあり、行く度に見ているとなんとなく愛着がわいてくる美術館です。
個人的な推しは「双羊尊」。
羊が2体、背中合わせになっている青銅器で、美術館の入館チケットのモティーフになっているこの子が好きなのですよ。
https://www.nezu-muse.or.jp/jp/collection/detail.php?id=90074
いつも展示室に出てきているので、ご挨拶に伺って可愛い姿に癒やされるのが毎回のルーティンです笑
もしかしたら展示していない期間もあるのかもしれないので、絶対見たい場合は公式HPの
「いま鑑賞できるNEZUコレクション」
(https://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/collection-now.html)
をご確認ください。
★公式HP★
浮世絵が見たい
- 太田記念美術館
浮世絵専門の美術館なんてのもあります。
それが太田記念美術館。
浮世絵に特化した美術館として、界隈では知らぬ者はいないくらいの知名度を誇っています。
もちろんコレクションは数・質ともに第一級。
一見の価値がある美術館です。
コレクションは期間限定の企画展にて展示されます。
みんな大好き葛飾北斎だけでなく、マニアックな絵師の企画が組まれることがあるのは専門館のなによりの特権で、
「この人の作品がこんなに大量に!!!」
と感極まって、心の中で全力スタンディングオベーションするような展覧会もあります。
初心者も極めつつある人も楽しめる、おすすめ美術館のひとつです。
★公式HP★
太田記念美術館 http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/
酷暑・豪雨でも快適に行きたい(駅直結)
- 東京ステーションギャラリー
- 国立新美術館
- サントリー美術館
駅直結で、外に出ることなく到着できる美術館もあります。
雨だけど、雪だけど、風が強いけど、酷暑だけど、極寒だけど、快適に美術館に辿り着きたい。
そんな時は、上記の3館がおすすめです。
東京ステーションギャラリーはJR東京駅の丸の内北口ドームに入口があり、改札を出てすぐ入館できる美術館です。
期間限定の展覧会が催され、日本画や洋画などの美術館らしい企画の他にも、ハリー・ポッターのような美術館っぽくない企画があるのも面白いところ。
気になる展覧会が開催されているか、ぜひチェックしてみてくださいね。
国立新美術館は、東京メトロ千代田線・乃木坂駅に直結しています。
マスコミ主催の企画展と、美術団体が主催する公募展が中心で、企画展の方は事前予約をした方がスムーズに入れるものも多くあります。
企画展に行きたい場合は、特に土日祝日は事前予約をしたいところ。
会期初めなら当日券もスッと買えるかもしれませんが、会期終盤だと厳しいかもしれません。
同じく六本木エリアのサントリー美術館の方は、企画展でも今のところ事前予約制はとられていないので、当日要っても構いません。
サントリー美術館は都営地下鉄大江戸線・東京メトロ日比谷線の六本木駅から直通ですが、午前10~11時は入口が限られていて、一瞬だけ外気に触れます。
★公式HP★
- 東京ステーションギャラリー https://www.ejrcf.or.jp/gallery/
- 国立新美術館 https://www.nact.jp/
- サントリー美術館 https://www.suntory.co.jp/sma/
できるだけ長居したい
- 東京国立博物館
さて。
最後は、できるだけ長居したい時におすすめしたい東京国立博物館をご紹介しましょう。
開館直後から閉館時間まで居座っても物足りないかもしれないくらいのボリュームの、日本が誇る国立ミュージアム。
たった1,000円の入館料で特別展をのぞく広大な展示空間に自由に出入りが可能になる、圧倒的なコストパフォーマンスも魅力です。
もしも幸運にも所属大学がキャンパスメンバーズ会員になっていれば、なんと無料で入館できます。
※大々的に宣伝されている「阿修羅展」のような特別展は別料金です。
では何が見られるのか。
ジャンルとしては、日本の美術品や考古資料に加え、中国・朝鮮・インドなどの東洋美術が挙げられます。
ただし、展示替えが頻繁にあるので、
「特定のあの作品がいつでも見られる!」
と言い切るのは難しく、菱川師宣の『見返り美人』が見られることもあるし、広重の浮世絵が展示されることもあるよ、という状態です。
事前に公式HPでスケジュールをチェックしてもよし、行き当たりばったりであるものを見るもよし。
お好みで楽しみましょう。
なお、レストランやキッチンカーがあるので、昼食には困りません。
本当に一日中いられますよ。
★公式HP★
東京国立博物館 https://www.tnm.jp/
美術館巡りに役立つ書籍
最後に、東京の美術館巡りに役に立つ書籍をご紹介しますね。
企画展を探すのに便利なのが、毎年刊行される『日経おとなのOFF』。
その年注目の展覧会がビジュアル付で紹介されていて、探しやすい上に気分が盛り上がります。
書籍離れと言われて久しいですが、大きな書籍にはスマホでは味わえない魅力がありますよね。
他には、『東京ミュージアム100』もおすすめです。
Google検索では出てきづらい隠れた名所も発見できるので、1冊あると便利ですよ。
美術館巡りに役立つHP
ウェブサイトは、リアルタイムの展覧会情報を得るのに役に立ちます。
artscapeの美術展情報は、エリアの他、特定の日の開催状況でも絞ることができます。
ポスターなどのイメージも表示されるので、パッと見て雰囲気を掴みやすいのも嬉しいポイント。
おすすめもピックアップされているので、迷ったらそこからチェックすると探しやすいでしょう。
artscape:https://artscape.jp/
美術手帖のアートマップは地図上に展覧会が表示されるので、場所から探すのに便利です。
美術手帖アートマップ:https://bijutsutecho.com/exhibitions/artmap
なお、当ブログにも注目展覧会リストを載せています。
展覧会名と会期をザザッと確認する用に作ったので、画像は入れていません。
お好みで活用していただければ嬉しいです。
以上、最後までご覧いただきありがとうございました。