単眼鏡をクルクル回しながらじっくり鑑賞しているお客さん、美術館の展示室にいますよね。
あるいは
「美術鑑賞を趣味にするなら単眼鏡があるといいよ!本当に世界変わるから!」
と言ってくる美術ファンに出会ったことがあるかもしれません。
もしくはSNSやメディアの特集で目にしたり。
単眼鏡は、美術鑑賞用アイテムの中でも推奨されることが非常に多いものと言えるでしょう。
でも一方で、こう疑問にも思いませんか?
「本当に持っていた方がいいの?」
「そんなにいいものなの?」
「色んな機種があるけど結局どれがいいの?」
ごもっともだと思います。
単眼鏡は安くないし、スペックも色々書いてあって分かりにくいですよね。
ただ、単眼鏡は持ってた方が美術鑑賞が格段に楽しめます。
人生を振り返っても、こんなにも買ってよかったと思えたアイテムはそうそうありません。
それくらいおすすめです。
今回の記事では、
「単眼鏡がほしい(かも)なあと考えている方に、単眼鏡の魅力をお伝えしつつ、具体的にこの機種がよいですよとご提案」
しています。
これ1本読めばスッキリするように書いたので、ちょっと長いですがお付き合いいただけると嬉しい限りです。
比較する2機種
さて、今回は実際に2つの機種を使用して、視野の写真を見比べながら比較していきます。
使うのはこちら。
- Vixen単眼鏡マルチモノキュラー H6×16
- Vixen単眼鏡 アートスコープ H4×12
いずれも私物の単眼鏡です。
以下にざっくりとスペックを書きますが、各項目は後で詳しくご説明するので、今はサラッと目を通していただければOKです。
Vixen単眼鏡マルチモノキュラーH6×16 (型番1121)
メーカー | Vixen |
倍率 | 6倍 |
対物レンズ有効径 | 16mm |
実視界 | 9.3° |
至近距離 | 約25cm |
アイレリーフ | 12mm |
明るさ | 7.3 |
サイズ(高さ×幅×厚さ) | 70×31×35mm |
重さ | 65g |
※ 各項目の意味は後ほどご説明します
私が買ったのは2015年で、当時は型番1121が最新でした。
現在は同シリーズの新作(型番11053)が出ているようです。
主要スペックはあまり変わらず。
重さが59gとやや軽くなってます。
私物の旧機種の方はAmazonで購入してから8年以上経つわけですが、故障も不満も特段なく、よき伴侶として今も活躍してくれています。
Vixen単眼鏡 アートスコープH4×12
2つ目がこちら。
上の写真は赤色ですが、私物のものは青色で、他にも黒もあります。
「アートスコープ」という名前が付いている通り、美術鑑賞者をターゲットに作られた機種です。
見た目が格好いいですね。
メーカー | Vixen |
倍率 | 4倍 |
対物レンズ有効径 | 12mm |
実視界 | 11.5° |
至近距離 | 約20cm |
アイレリーフ | 15mm |
明るさ | 9 |
サイズ(高さ×幅×厚さ) | 70×31×35mm |
重さ | 49g |
※ 各項目の意味は後ほどご説明します
こちらは2020年に購入し、だいたい4年くらい経ったところです。
何度も持ち歩いていますが故障はなく、順調に活躍してくれています。
結論:おすすめはこっち
2機種をご紹介したところで、はじめにおすすめがどちらかを言ってしまいます。
両方使っている個人的な意見としては、結局のところおすすめなのは
Vixen単眼鏡マルチモノキュラーH6×16
の方です。
Vixen単眼鏡マルチモノキュラーH6×16
理由はこれから詳しくご説明しますが、ポイントを箇条書きすると、
- 倍率は6倍がよい
- 視野と明るさは何とかなる
- アイレリーフも妥協できる(メガネでなければ問題にもならない)
となります。
ただし、あくまでも1台目におすすめなのであって、もし倍率6倍の単眼鏡を持っているなら絶対に4倍の方にすべきです。
6倍同士の違いよりも、6倍と4倍の違いの方が明らかに劇的だからです。
【補足】
ここで1点補足したいことがあります。
今回取り上げる2機種、黒いマルチモノキュラーとカラフルなアートスコープは、実はそれぞれ倍率4倍と6倍のものがあるんですよね。
VixenアートスコープH6×16
そして、主要な機能は両者ほぼ変わりません。
重さが数g違うくらいです。
更に言うと、ケンコー・トキナーのギャラリーEYEにもほぼ同スペックの製品が2色あります。
こちらも重さが数グラム変わるくらい。
この記事では私が撮影した写真を載せる時に「VixenマルチモノキュラーH6×16」と書いてますが、実際買うときはH6×16の3種類(+色違い)から見た目とお値段で選べると思って大丈夫です。
色違いの比較はAmazonが一番見やすいです。
【視野画像付】2機種の比較
さて、スペックの解説をする前に、実際にどんな風に見えるのかイメージできるように写真をお見せします。
これから載せる写真は、画集を開いてスタンドで立てて、50cmまたは1m離れたところから単眼鏡を通してiPadで撮影したものです。
「自宅で頑張って撮った感じ、ありし日の個人ブログのようで懐かしなあ・・・」
と、素人っぽさをあたたかく見守っていただけると幸いです。
そのかわり、個人ブログの強みを生かして本音で攻めて参ります。
「倍率」と「視野の広さ」が比較できる
写真でお伝えしたいポイントは「倍率」と「視野の広さ」の感覚です。
ピンボケっぽく見えるのは完全にiPadの自動ピント調整の調子のせいで、実際にはくっきり見えているので気にしないでください。
また、明るさもiPadの補正が入ってしまっています。
明るさも倍率によって変わる要素ですが、暗い方を美術館で使っていて不都合を感じたことがないので修正しませんでした。
今回見る作品はこの2点です。
- 伊藤若冲《雪中錦鶏図(動植綵絵)》
- ファン・エイク兄弟《ヘントの祭壇画》
それぞれ以下の画集を使いました。
(どれも印刷がきれいで大きいので、画集は画集でめっちゃおすすめです笑)
【2種の単眼鏡の呼び方について】
ここからは便宜的に、
- H6×16の黒いマルチモノキュラー(倍率6)を「倍率6倍の単眼鏡」
- H4×12のカラフルなアートスコープ(倍率4)を「倍率4倍の単眼鏡」
と呼ぶことにします。
最も差を生みやすい要素である倍率に注目したいので、「4倍の方」とか買いてあればH4×12のアートスコープの方だなと思ってください。
伊藤若冲《雪中錦鶏図(動植綵絵)》
伊藤若冲といえば、執拗なまでの細密描写が特徴ですね。
《雪中錦鶏図》は色彩のコントラストや細かい描き込みが見事で、単眼鏡の威力を実感しやすい作品です。
今回使用した画集の画像のサイズは縦24.9×横13.8cm。
素描やスケッチ、版画など、展示室で比較的近くから見る小品と想定し、50cm離れたところから撮影することにしました。
で、50cm離れたところから単眼鏡を通さず撮影したのがこちらの写真です↓
なんとなく鶏が見えますね。
たぶん雪が積もっているのでしょう。
それが、4倍の方で見るとこうなります↓
鶏は2羽いたんですね・・・!
葉に積もる細かな雪まで見えてきます。
写真のサイズや比率は調整していないので、本当にこれくらいの大きさの違いが感じられると思っていただいてOKです。
繰り返しになりますが、ピントと明るさはiPadが勝手に補正している可能性があります。
深々と冷え込んだ雪景色と、凜とたたずむ鶏の姿勢。
緑と赤の対比と、絶妙に入り込む白。
キリッとした緊張感、ひんやりとした空気を感じることができます。
これくらいの倍率があれば、作品の隅っこの小鳥だってじっくり鑑賞できるでしょう。
単眼鏡を使うと見え方が変わることがお伝えできたでしょうか。
私は初めて単眼鏡を使ったとき、なんだこれは!と叫びそうになりましたよ。
今までは見ていたのは何だったのかと、愕然といたしました。
では、6倍になるとどう変わるのでしょうか↓
羽の柄や雪の表現が更に細かく見えるようになりましたね。
遠目から見てもびっちりと描き込んでいるように見えましたが、6倍の単眼鏡で見ると認識が甘かったことを痛感します。
繊細なグラデーション、小さな点状の模様、細いふちどり等々、たった1枚の羽にすら膨大な情報量が詰め込まれていたことが判明しました。
一方で、視野は明らかに狭くなりましたね。
全身が見えていたはずの鶏の尾は枠外へ出てしまいましたし、背景もだいぶカットされています。
並べてみると、違いは歴然です。
ファン・エイク兄弟《ヘントの祭壇画》
次は《ヘントの祭壇画》を見てみましょう。
画集自体はよくある大型本サイズなのですが、一部を切り取って大きく見せているページがあるので採用しました。
画集に「部分図」として掲載されているサイズは縦22.3×横16.0cm。
展示室の壁に掛けられている大きな作品を想定し、100cm離れて撮影しました。
掲載されている部分は、縦3.75m×横5.7m、全12パネルの巨大な祭壇画の中の
向かって右上にあるパネルの一部分です。
単眼鏡を通さないで撮った写真がこちら↓
下の方で、青い衣の人物が楽器を演奏しているくらいは分かります。
向かって右上にかたまっている人物たちは歌っているのでしょうか?
色鮮やかな雰囲気は分かりますが、モティーフひとつひとつは不詳です。
では、4倍の単眼鏡で見てみましょう↓
こちらも写真のサイズや比率は調整していないので、本当にこれくらいの大きさの違いが感じられると思っていただけます。
再度繰り返しになりますが、ピントと明るさはiPadが勝手に補正している可能性があります。
特にピントは、実際単眼鏡で見ると上から下まできっちり合っているのでご安心ください。
表情や楽器が具体的に判別できるようになりましたね。
視野の範囲も広く、図版の全体が概ね収まるくらいです。
一方、衣装の装飾や人物の表情などは、もう少し大きく見たいところ。
拡大がやや物足りない印象を受けます。
それが6倍の単眼鏡だとこうなります↓
ピントが合っていないのが非常に残念に思えるほど、細部までしっかりと大きく見えるようになりました。
写真ではピンボケしてしまっていますが、実際は衣服の装飾や髪のウェーブもくっきり見えています。
《ヘントの祭壇画》は「細密描写を誇るフランドルの中でも最高レベル」と言われますが、その理由が理解できるくらい細部まで観察できますね。
差が出るのは「倍率」と「実視界」
実際の写真を見ていただくと、機種によって結構違うことが分かりますね。
ではなぜこんなに違う見え方になるのでしょう?
カタログに羅列されているスペックの中の、一体どれが決定的な違いを生むのでしょうか?
それは「倍率」と「実視界」です。
それぞれ詳しく解説していきましょう。
倍率
倍率とは「どれぐらい大きく見えるか」の指標です。
例えば「倍率4」が何を意味しているのかというと、
単眼鏡で4m離れたところにあるものを見たとすると、裸眼で1mの距離から見たのと同じくらい大きく見えますよ
ということ。
4分の1の距離まで近づくのと同じ見え方になります。
高倍率を選ぶメリットは、数値が大きければ大きいほど細部までよく見える点に尽きます。
近くからの方が細かいところも見やすいですもんね。
一方で高倍率のデメリットもあります。
大きなデメリットは、視野が狭くなる点と手ぶれしやすくなる点。
カメラのズームをイメージしてもらえれば分かりやすいでしょう。
これらの点をふまえると、美術鑑賞に適切な倍率はおおむね4~6倍になります。
実視界
一方の「実視界」。
これは単眼鏡を通して見える視野の広さを角度で表した指標で、数値が大きいほど広範囲を見られることになります。
勘がよい方はお気付きかもしれませんが、実視界は倍率が上がるほど狭くなりがちです。
カメラ撮影の場合も、ズームするより遠くに引いた方が広範囲を写せますよね。
それと同じことです。
実視界の数値が大きいほど広い範囲を見ることができ、美術鑑賞用の単眼鏡だと9~12°くらいがボリュームゾーン。
先ほどの写真の2機種の実視界は、
- 6倍の方が9.3
- 4倍の方が11.5
になっています。
確かに4倍の単眼鏡の方が広い範囲を見渡せましたよね。
約2°違うと相当な差が出るのです。
それでも私は視野の狭い6倍の方をおすすめするのですが、理由は次の項目でご説明します。
余談:もし4倍の方を買うなら
今回両方Vixenで比較した理由のひとつは「4倍より6倍の方がおすすめだから」なのですが、もし4倍を買うならケンコー・トキナーのギャラリーEYEの方がおすすめです。
というのも、実視界が11.5°から12°に広くなるから。
実機を試していないので恐縮ですが、理論上0.5°でもまあまあ違うはずです。
重さは49gから53gになります。
6倍の単眼鏡がおすすめな理由
倍率4倍の単眼鏡より6倍の方にすべき理由は「倍率」と「実視界」にあります。
というのも、実際に美術鑑賞で単眼鏡を使う目的が「細部を拡大したいから」に他ならず、ここに尽きるからです。
全体的な雰囲気やバランス感は、既に単眼鏡なしで見ていますよね?
ちょっと横のモティーフを見たければ、単眼鏡を動かせばいいだけです。
広い範囲が見えなくても、そんなに明るくなくても、拡大できた方が単眼鏡ならではの楽しみ方がしやすいのです。
6倍なら遠くからでも大きく見えるので、混雑した展覧会でも使いやすいですし。
手ぶれも、4倍よりは6倍の方がしやすいのは事実ですが、見づらくなる程ではないかと思います。
ずっと6倍を使ってから4倍を追加した経験上、4倍を最初に買ってしまうと、単眼鏡の威力を実感しきれなくてもったいない気がします。
確かに好みは人それぞれですが、初めて買う単眼鏡はどれがいいかな?と聞かれたら、個人的には6倍の方を推します。
家族や親友にも推します。
過去の自分にも推します。
それくらい6倍の方が1台目向きです。
もちろん、視野が広く、明るく大きく見えて、手ぶれもせず、軽くて丈夫で安い機種があればベストなんですが、それは無理な要求です。
重要なポイントを見極めて、最適なバランスを見つけなければならんのです。
ということで、「倍率」と「実視界」を重視した結果、倍率6のH6×16の方がおすすめという結論に至りました。
他の重要なポイント5点
さて、ここまで倍率と実視界に注目してきましたが、単眼鏡のスペック表にはもっとたくさんの項目が並んでいますよね。
その中でも重要なポイントを5つに絞って触れておきます。
なお、先ほどからおすすめしているVixenの単眼鏡(とケンコー・トキナーの4倍の単眼鏡)は、いずれも充分なスペックを備えています。
重要なポイントはちゃんと把握しておきたい方や、他のメーカーのも検討したい方でなければ、この記事は終了しても問題ありません。
ただし、メガネをかける方は「アイレリーフ」だけは一応目を通しておいたほうがよい項目です。
至近距離
至近距離は致命的ミスになりかねないので重要ですが、30cmくらいを下回っているかをさらっと確認しておけばOKです。
簡単に意味をご説明すると、至近距離とは、ここまでなら近づいてもピントが合うよ、というポイントまでの距離のこと。
他のメーカーさんだと最短合焦距離と書いたりもします。
至近距離より近くからはピントが合わせられないので、この数値が大きすぎるものは美術鑑賞には致命的に向きません。
普通はガラスケース越し、あるいは床のラインの外側に立って鑑賞するはずなので、30cmくらいあれば充分でしょう。
一般的に美術鑑賞用として紹介されている機種ならだいたい大丈夫かと思います。
余談ですが、美術鑑賞に双眼鏡が向かない理由が至近距離にあります。
双眼鏡はスポーツ観戦や観劇のように、遠くのものを見るのに適したもの。
なので、近くの作品を見ようとしてもピントが合わない機種が出てくるんです。
重さその他諸々も考えると、美術観賞用で一般的に推奨されるのは単眼鏡になります。
明るさ(光明度)
視界がどれくらい明るく見えるかの指標が「明るさ」です。
倍率が高いほど、またレンズの口径が狭いほど暗くなり、明るさ数値が低くなります。
美術館の展示室はほの暗く、あまりにも数値が低いと支障が出るので、比較的重要なポイント。
とはいえ、個人的にはそこまで神経質にならなくてもよいかとも思っています。
というのは、美術館用に適した明るさは9以上と言われるのですが、私が今使っている6倍の方の単眼鏡は7.3なのです。
もう数年使っていますが、暗いなあと感じたことは特段ありません。
暗いと言っても立ち入り禁止のロープが見える程度ですからねえ・・・。
ちなみに、ケンコー・トキナーさんは公式HPで明るさについて下記のように説明されています。
分かりやすいので引用させていただきます。
9~25 薄暗い中物を見るのにも使える明るさです。
4~9 日中の使用に限るのであれば充分なスペック。しかし、暗所では視界が暗く、見えづらくなります。
ケンコー・トキナー「双眼鏡・単眼鏡の基礎知識」より
https://www.kenko-tokina.co.jp/special/product_type/bino/basic_bino.html
アイレリーフ
アイレリーフとは、どれくらい目を離しても視野の全範囲が見えるかを表す指標です。
単眼鏡を構成するレンズのうちの、「目に近い方のレンズ」と「目」の距離がアイレリーフ値になります。
目とレンズがアイレリーフの距離よりも離れると、本来よりも狭い範囲しか見えなくなってしまうので注意が必要です。
アイレリーフが特に重要なのはメガネをかけて使用する方。
メガネをかけると単眼鏡と眼球の距離はどうしても遠くなってしまうので、アイレリーフ値が大きい方が安心なのです。
メガネの種類にもよりますが、望ましいとされているのはだいたい15mm以上のものです。
とはいえ、今回おすすめした6倍の方の単眼鏡は12mm。
ちょっと足りてません。
私はメガネとコンタクト両方で単眼鏡を使うのですが、確かにメガネだと視野が狭くなる実感はあります。
ただ、個人的にはまあまあ致し方ない範囲内かなと思っています。
(ノーズの高いメガネやサングラス、ゴーグルなんかは別かもしれませんが。)
あとは強力な裏技として、単眼鏡を覗くときだけメガネを一瞬外してしまう手があります。
メガネをちょっとずらしてもいいので、とにかく裸眼状態で単眼鏡を覗いてピントをちょっと調整すれば、大きくくっきり見ることができます。
私の視力は右0.1くらいですが、問題なくピントは合わせられます。
しつこいようですが、視野が広く、明るく大きく見えて、手ぶれもせず、軽くて丈夫で安い機種はありません。
どこかで折り合いをつける必要があります。
個人の意見ではありますけれど、何年も実際に使用した人間として言えるのは、
- 妥協すべきでないのは倍率
- 多少妥協できるのは実視界、明るさ、アイレリーフ
かなと思っています。
メーカー
スペックとはちょっと違うかもしれませんが、メーカーについてもここで触れておきますね。
単眼鏡を販売しているメーカーはいくつもありますが、光学機器に強いところであれば、どこも充分実用に耐える質があると期待してよいでしょう。
メーカーにこだわるよりは、上記のスペックで比較すべきかと。
Vixen、ケンコー・トキナー、Nikonあたりを選んでおけば間違いはないはずですし、選択肢も充分です。
この3社がどんな会社かざっくり言うと
【Vixen】
1954年設立の日本メーカー。
天体望遠鏡や顕微鏡などが有名。
【ケンコー・トキナー】
1957年設立の日本メーカー。
写真用品、レンズフィルターに強み。
【Nikon】
言わずと知れた光学機器メーカーの巨頭。
軍用品も作っていたことから、Nikon製品は丈夫と言われることがある(本当かな?)
私が持っている機種はたまたまVixenですが、意図的に選んだわけではなく、スペック重視で選んだ結果です。
見た目
あとは見た目ですね。
倍率が6倍でちゃんとしたメーカーなら、最高に気分を上げてくれるカラーを選んで大丈夫です。
補足:なぜ双眼鏡ではなく単眼鏡?
最後に、どうして美術鑑賞には双眼鏡よりも単眼鏡が向いているのかをご説明します。
2つの筒にそれぞれレンズがついた双眼鏡は、両眼で見ることができますよね。
両眼で見ることのメリットは立体感や遠近感を味わいやすいこと。
対してデメリットは至近距離が長いこと。
ピントを合わせるにはある程度の距離を取らないといけないので、近くの展示ケースくらいだとボケてしまいます。
だからスポーツ観戦や観劇に向いているとされているのです。
美術鑑賞では普通は遠近感は分からなくても支障ありませんし、逆に至近距離が長いと使えない場面が出てきてしまいます。
また、単眼鏡は小さくて軽く、気軽に持ち運べるメリットもあります。
これらの特色を考えると、美術鑑賞には単眼鏡が適しているのが分かりますね。
結論:おすすめはこれ
ということで、おすすめしたいのはH6×16のこの3機種(+色違い)です。
以上で終了です。
長いことご覧いただきありがとうございました。