Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「ボテロ展 ふくよかな魔法」へ行ってきました!
華やかな色彩とふっくらした量感、ラテンアメリカの空気・・・
目が日なたぼっこしたかのようにフカフカした感覚になると同時に、コロンビアに漂う不穏な雰囲気も垣間見られ、興味の尽きない見どころたっぷりの展示でした。
ボテロファンはもちろん、作品を見たことがない方にもぜひおすすめしたいところです。
以下、「ボテロ展」の見どころや展示構成、所要時間をまとめました。
これから行こうか迷っている方、行こうとしている方のお役に立てれば嬉しい限りです。
新型コロナ対策のため会期等が変更されている可能性があります
訪問前に必ず公式情報をご確認ください
ここが見どころ!
まずは本展の見どころを3点に絞ってご紹介します。
ネタバレしすぎないよう展示会場の写真は載せていませんので、ご承知おきください。
見どころの3点は以下の通りです。
- ボテロの画業の全体像
- 実物大ならではのボリューム感
- ラテンアメリカ×西洋
ボテロの画業の全体像
日本で26年ぶりの回顧展となる今回は、90歳の現役画家ボテロの画業の全体像が俯瞰できます。
展示されているのは、17歳で描いた作品から近年力を入れている水彩画まで幅広く、画題も静物、人物、キリスト教など、バラエティに富んでいます。
約70点の作品からなる本展は、ボテロ本人が監修しています。
つまり、作家自身が日本で見せたい“自画像”たる展覧会だとも言えるでしょう。
フェルナンド・ボテロの名前を知らなくとも、「こんな作品を作った人なんだ」と理解できる、またとない絶好の機会なのです。
実物大ならではのボリューム感
静物や宗教など画題はバラエティに富んでいるボテロ作品ですが、共通した魅力にボリューム感があります。
モティーフたちがとにかく“ふくよか”なんですね。
ボテロが一貫して表現し続けたこの量感は、両手を広げて立った人間よりも大きいくらいのカンバスを前にしてこそ味わえます。
やっぱり画集やディスプレイの縮小画像とは違いますよね。
満開の花々の生命力、弾力すら伝わってくる肉体・・・
会場へ足を運はなければ分からない魅惑のボリュームは必見です。
ラテンアメリカ×西洋
作品に込められた“ラテンアメリカの要素”も見どころのひとつです。
南米コロンビア出身のボテロは、生まれ育ったラテンアメリカの特色を作品に反映させることにこだわります。
登場人物や舞台は、しばしば南米やメキシコのものに設定されています。
ラテンメリカと言えばインカやアステカなどの文明は思い浮かびますが、西洋絵画のようにカンバスに描かれた油彩画にはあまりなじみがないのではないでしょうか。
現地にルーツを持つ人物による油彩画は、“ラテンアメリカ風”であるだけでも興味深く感じられます。
更に面白いのは、西洋美術史とダイレクトに融合させた作品です。
例えば、本展で展示されている《マリー=アントワネット(ヴィジェ・ルブランにならって)》。
18世紀フランスで活躍したヴィジェ=ルブランによるマリー=アントワネットの肖像画を、ボテロらしい作品に“翻案”しています。
背景は明るい晴天と逞しそうな樹木に変えられ、アントワネットもやや日焼けしています。
西洋美術史を深く理解した希有な“コロンビア画家”が創りだした、他の誰にも描けない世界。
絶対に見逃したくないポイントです。
展示構成
展示は絵画作品が中心で、途中映像コーナーもあります。
出世作であるMoMAの《12歳のモナ・リザ》の現物は出品されていませんが、映像では触れられていました。
構成は以下の通りです。
第1章 初期作品
第2章 静物
第3章 信仰の世界
第4章 ラテンアメリカの世界
第5章 サーカス
第6章 変容する名画
所要時間
所要時間の目安は、音声ガイドなしで1時間程度になりそうです。
1時間半ほど見積もっておけば、余裕を持って鑑賞できるかと思います。
なお、ショップも充実しているので、堪能したい方はゆとりあるスケジュールにしておきましょう。
ボテロ展 ふくよかな魔法
Bunkamuraザ・ミュージアム
2022年4月9日(金)~7月3日(日)
特設サイト:https://www.ntv.co.jp/botero2022/
【巡回予定】
名古屋市美術館
2022年7月16日(土)~9月25日(日)
名古屋会場特設サイト:https://www.ctv.co.jp/botero/
京都市京セラ美術館
2022年10月8日(土)~12月11日(日)
以上、最後までご覧いただきありがとうございました。