東京都美術館で始まった「マティス展」に早速行ってきました!
結論から言うと、ずばり、超充実、超おすすめでした。
実質的に100%マティス作品と言っても過言ではないほど濃厚なマティス空間で、60年超の壮大な制作活動をみっちり堪能できる本展。
詳しくは後で書きますが、こんなにも充実したマティス展はそうそう無いでしょう。
以下、見どころや混雑状況、所要時間、チケット情報のまとめです。
参考にしつつ、ぜひ足を運んでみてください。
マティス展
Henri Matisse: The Path to Color
東京都美術館
2023年4月27日(木)~8月20日(日)
特設サイト:https://matisse2023.exhibit.jp/
※会期等が変更されている可能性があるため、訪問前には必ず公式情報をご確認ください
見どころ:
実質100%マティスの大回顧展
見事な実質100%マティスの展覧会です。
「実質」というのは他者が撮影した写真や出版物などが含まれるから。
ですが、どれもマティス本人やマティスの手による作品が撮影・印刷されています。
画家の名を冠した展覧会でも、関連作品として他の画家の絵画等が展示されることはよくありますが、それとは関連度は段違いと言えるでしょう。
「マティスの作品がたっぷり見られるんだな!」
と盛大に期待していただいて問題ありません。
150点を越えるマティス作品(実質を含む)が集まれば、それはもう充実の展示が繰り広げられます。
たとえば画業の変遷。
「窓」に着目したり、モティーフを極限まで単純化しようとしたり、セザンヌ的な構成を試したりと、約60年の膨大な制作活動のキーポイントを辿ることができるのです。
ジャンルも多岐にわたり、絵画、彫刻、切り紙絵、版画、デッサン、ヴァンス礼拝堂のデザイン資料まで実に様々。
絵画についても裸婦や室内画、新古典主義にフォーヴィスム・・・と、マティスの幅広さに感嘆するはずです。
なかなか貸し出されない作品も来ています。
例えば《豪奢、静寂、逸楽》は、マティス本人は満足していなかったと言うものの、重要で著名な作品。
ポンピドゥーの「目玉」とも言えるような作品なので、まさか日本で見られる日が来ようとは思いませんでした。
他にも、ヴァンス礼拝堂を映した4K動画もなかなかに良く。
マティスが最も美しく見えると言った冬の陽光に照らされた礼拝堂の姿を、朝から日没まで時間を変えて鮮明に見せてくれます。
礼拝堂にはニースからバスでヴァンスへ行き、更に15分くらい歩く必要があります。
日本から気軽に行ける場所ではないので、臨場感ある映像はありがたいですね。
・・・と、この機会を逃したら後悔必至の充実の展覧会なわけです。
何とか時間を作って見に行ってみましょう!
混雑状況
開幕直後の週末に訪れた際は、それなりに混雑しているように感じました。
展示室も作品の間隔も広く、決して狭苦しい展示ではなかったので、訪問者が多かったのだと思います。
作品の前に人だかりができ、遠くから少しずつ近づいていくような場面もままあり、「マイペースにゆったり」とは決して言えない状況でした。
ですが、コロナ以前よりは密度は低めで、ぐったりするほど激混み!!とまでは感じないかもしれません。
SNS上でも「意外と混雑していなかった」という声がポツポツあるくらいです。
注目度の高い大規模展らしい光景を覚悟した方がよいでしょうが、諦めるのは勿体ないかと思います。
さて、混雑を避ける秘訣は、何はともあれ早い時期に行くこと。
今はまだチケットが完売しない時間帯があるものの、会期終盤は終日完売となってもおかしくありません。
他にも、各予約枠の開始前後は混雑しやすいので、中途半端なタイミングで入場するのも有効です。
あとは平日、特に午後、金曜夜間(20時まで開館)、チケットはすぐ売り切れてしまいますが開館直後の予約枠も狙い目ですね。
訪問のタイミングで混雑度はかなり変わるので、上記をぜひ試してみてください。
所要時間
音声ガイドとショップを除いた所要時間は1時間30分くらいが目安となりそうでした。
2時間あればかなり余裕を持って鑑賞できるでしょう。
注意が必要なのがショップです。
今回非常に力が入っているので、グッズ好きなら少なくとも+30分必要だと思った方がよいかと。
チケット・事前予約
当日券と日時指定の事前販売券が用意されています。
当日券は数に限りがあるので、特に会期後半は売り切れの可能性があります。
日時指定券は公式チケットサイト(ART PASS)とプレイガイド(チケットぴあ等)で販売されています。
一旦購入するとキャンセルはできないのでご注意を。
おすすめなのはART PASSの方です。
というのも、
- ART PASSは日時変更が2回まで可能ですが、プレイガイドは不可
- プレイガイドはコンビニで発券手続きが必要で、手数料がかかることがある
から。
決済にはクレジットカードが必要ですが、問題なければART PASSが無難です。
写真撮影・単眼鏡
写真撮影の可否はフロアごとに分かれていて、第4~6章のある2つ目のフロアはOKでした。
展示フロアの概ね3分の1が撮影可なのは嬉しいですね。
撮影できる作品には、人気の室内画も含まれます。
カメラ・スマホはお忘れ無く。
第4~6章は下記の通りです。
- 第4章 人物画と室内画 1918–1929
- 第5章 広がりと実験 1930–1937
- 第6章 ニースからヴァンスへ 1938–1948
単眼鏡は、あれば楽しいかも?というくらいでした。
細かい描写よりは全体の色彩や感覚に注目しやすい作風なので、無理に持って行かなくてもよいかと思います。
・・・とはいえ単眼鏡を持っていると楽しいので、まだの方は下の記事をぜひ見てってくださいませ
予習におすすめの書籍
予習目的なら『もっと知りたいマティス』が最も向いています。
図版と文章のバランスがよく、概要を押さえるのにもってこいのこのシリーズは、例に漏れずマティス版もおすすめです。
作品の鑑賞・解説は会場で本物を見ながら。
画家の生涯や時代背景は書籍を読んで。
とするなら、数あるマティス本の中でも『もっと知りたい』が適しています。
もし解説より作品をたくさん見たいのであれば、2023年5月のできたてホヤホヤ『アンリ・マティス作品集』がおすすめです。
東京美術の作品集シリーズもいつも良書で、個人的にも好きなのですが、大きな作品の図版とその解説が中心です。
展覧会の予習用には『もっと知りたい』が向いていますが、図版のサイズや印刷が良い上にお求めやすいお値段なので、目的によっては最強とも言えるでしょう。
以上、最後までご覧いただきありがとうございました。
マティス展
Henri Matisse: The Path to Color
東京都美術館
2023年4月27日(木)~8月20日(日)
特設サイト:https://matisse2023.exhibit.jp/