2022年4月9日にリニューアルオープンした国立西洋美術館に行ってきました!
作品の配置は変わっていたようですが、再びあの素敵なコレクションに会えるようになって、嬉しいやら懐かしいやらで感慨深かったです笑
以下、リニューアル後の国立西洋美術館の常設展について、見どころや所要時間、チケットの買い方、予習向きの書籍などのお役立ち情報をご紹介します。
これから行こうか迷っている方、行こうとしている方のお役に立てれば嬉しい限りです。
新型コロナの影響で開館時間等が変更される可能性があります
訪問前に必ず公式情報をご確認ください
4つの見どころ
早速、国立西洋美術館の常設展の見どころを4点にまとめてお伝えします。
その4点はこちら。
- 日本で見られる貴重な西洋美術コレクション
- ル・コルビュジエ設計の建築
- 書籍販売コーナー
- ギャラリートーク等のイベント
では詳しく見てみましょう。
日本で見られる貴重な西洋美術コレクション
日本に所在する美術館の中でも、西洋美術を数多く常設しているところはそうありません。
欧米をはじめとする世界中で需要がある上、過去の時代の作品は二度と作れないので、美術史上重要で状態のよい作品を集めるのは簡単ではないからです。
極端な例ですが、レオナルド、ミケランジェロ、ラファエロの油彩画を揃えたいと思っても、よほどの奇跡が起こらなければ難しいですよね。
なので、クラッシックな作品から近代の彫刻まで、幅広い時代の様々なテーマ・ジャンルの作品が常に見られるというのは、日本では極めて貴重なことなのです。
ルネサンス期の宗教画があります。
17世紀の静物画あります!
印象派だってあります!!!
ロダンもあります!!!!!
だなんて、なんと豊かなことでしょう・・・・・・
国立西洋美術館が充実したコレクションを持った経緯には紆余曲折があるのですが、ざっくりとまとめると
- 20世紀前半に実業家・松方幸次郎が収集した「旧松方コレクション」の収蔵
- 美術館自身による購入
- 個人等からの寄贈
を中心として形作られてきました。
国としての公共的な収集の他に、民間人が私的に集めた品々が収められていることが分かりますね。
先人達の“目利き”の果実、しかも個人の財産であったものも含めて、現在の私たちは受け取ってれているわけです。
時代ごとの特徴の変化を楽しんだり、地域による違いを見つけたりと、西洋美術史の主要なパートを渡り歩ける常設展。
恵まれたコレクションをぜひじっくりと堪能してみてくださいね。
ル・コルビュジエ設計の建築
絵画・彫刻といったコレクションに加え、美術館の建物自体も芸術作品として見逃せません。
本館と新館があるうちの本館は、近代建築三大巨匠のひとりである大建築家ル・コルビュジエが設計しているのです。
日本で唯一のコルビュジエ建築ということで、2016年には世界文化遺産にも登録されました。
※世界遺産「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―」として、国立西洋美術館を含む17の建築を登録
国立西洋美術館はコルビュジエが提唱した「近代建築の5原則」や、人体の大きさを基準に寸法を決める「モデュロール」に基づいていて、ピロティなど特徴がよく現れている部分も見られます。
もっとも、詳しい理屈が分からなくても建築を楽しむことはできるでしょう。
館内を歩いていると、展示作品もさることながら、建物自体にも「なんだこれ?」と気になる部分がたくさん見つかるんですよね。
明らかに何かの創意を感じるのです。
独特の味のある空間をぜひご堪能ください。
※建築の解説は公式サイトにも掲載されています
https://www.nmwa.go.jp/jp/about/building.html
書籍販売コーナー
国立西洋美術館にはミュージアムショップもあり、書籍コーナーが非常に充実しています。
西洋美術を中心に、美術史の概説書や中野京子氏の絵画エッセイなど、初心者も手に取りやすい書籍も揃っています。
もちろん国立西洋美術館のコレクション集も充実しているので、展示を見て深掘りしたくなったテーマの本を買ってみるのも楽しいかと。
公式サイトによると、常時約2,000点もの書籍を販売しているとのこと。
美術館が選りすぐった品々ということで、もはや一種の「コレクション」と言えるかもしれませんね。
余談ですが、ショップではクリアファイルなどの定番商品も販売されていて、ロダンの『考える人』関連はちょっと立ち寄ってみていただきたいくらい面白いグッズです。
微笑ましくなってしまったアレンジにご注目あれ。
ギャラリートーク等のイベント
美術館の楽しみのひとつとして外せないのがイベントですね。
国立西洋美術館でも随時開催されています。
リニューアル前も含め、専門家による講演会、子ども向けのプログラム、美術館研究員やボランティアによるギャラリートーク等、数々のイベントが催されてきました。
残念ながら新型コロナの影響で一部休止となっていますが、再開されたプログラムもいくつかあります。
例えば、第1,3,5土曜の美術トーク(ボランティアによるギャラリートーク)、コルビュジエ建築のツアー、ワークショップなどは開催されていますね。
他のイベントについても感染状況を踏まえて再開される可能性もあるので、期待してお待ちしていましょう。
詳しくは美術館のイベント情報のページをご覧ください。
https://www.nmwa.go.jp/jp/events/
所要時間
所要時間は、リニューアル前後で大きく変わらないようでした。
公式サイト上では1時間から1時間半ほどとありますが、はじめての方は個人的にはもっとかかりそうな印象です。
あくまでも私見ですし、人によってだいぶ違うでしょうが、全フロアをしっかり見るなら2時間は確保した方がよいでしょう。
「じっくり見ていたら3時間も経ってしまった!」
という声も実際に聞きますし、それに特に驚きもしないくらいの規模感です。
企画展に行けば当日中は常設展も無料で入れるので、少しずつ開拓していくのも楽しみ方のひとつでしょう。
混雑状況
国立西洋美術館の企画展は混雑するイメージがあるかもしれませんが、常設展の方はそこまで心配は要りません。
2022年4月9日のリニューアルオープン当日でも、他の人が気になる程の混雑ではありませんでした。
企画展開催中も、よほど運が悪くなければゆったり過ごせると思ってOKです。
また、展示室は広く、必ずしも決まった順路に並んで待つ必要もありません。
マイペースに見やすい展示になっています。
好きな作品をじっくり味わってみてくださいね。
チケット・事前予約
チケットは当日窓口で購入可能ですが、事前に日時指定チケットをオンラインで購入できます。
当日券が完売することはあまりないとは思いますが、訪問日時が決まっているなら手配しておくと安心です。
キャンセルは予約当日の午前8時までできます。
予習におすすめの書籍
国立西洋美術館の解説書はいくつかありますが、訪問前に読むのにおすすめなのは『国立西洋美術館 公式ガイドブック』です。
代表的な作品の解説、美術館の歴史の概要、コレクションの由来、コルビュジエの建築など、全体像がコンパクトにまとめられた良書です。
2009年に発行されたこの書籍は何度か改訂されていて、私の手元にあるのは2019年の第3版。
もっと新しいものもあるかもしれませんが、第3版でも違和感はありません。
注意点はかなりコンパクトなこと。
全77ページのA5サイズの小さな書籍で、写真部分も大きいため、情報量を求めるには不向きです。
美術館のショップでは他の詳しいガイドブックが買えるので、概要だけ予習して、興味が湧いたテーマを現地で調達するのもよいと思いますよ。
訪問案内
新型コロナの影響で開館時間等が変更される可能性があります
訪問前に必ず公式情報をご確認ください
国立西洋美術館
東京都台東区上野公園7番7号
公式HP:https://www.nmwa.go.jp/jp/
常設展開場時間
9時30分~17時30分(金・土曜日は20時閉館)
休館日
月曜日(月曜日が祝日または祝日の翌日の場合は開館し、翌平日が休館)
年末年始
以上、最後までご覧いただきありがとうございました。