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フェルメールと17世紀オランダ絵画展★混雑,所要時間,チケット,予約情報,見どころを徹底レポ!

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フェルメール 窓辺で手紙を読む女

東京都美術館で開催中の「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」に行ってきました!

ドレスデン国立古典絵画館から17世紀のオランダ絵画が大集結した展覧会で、フェルメール以外は超有名画家というわけではありません。

ですが、作品の調査・修復によるインパクトや、オランダ絵画の噛めば噛むほどあふれ出る味わいなど、知的にジワジワ楽しめるタイプの展覧会だと感じました。

個人的にはとって大大満足です。

以下、本展の混雑状況や所要時間、見どころやチケット情報などをご紹介します。

これから行こうか迷っている方、行こうとしている方のお役に立てれば嬉しい限りです。

フェルメール 窓辺で手紙を読む女
『窓辺で手紙を読む女』(修復後)
ヨハネス・フェルメール
ドレスデン国立古典絵画館所蔵
1657~1659年 83×64.5cm

新型コロナウイルス対策のため会期等が変更されている可能性があります
訪問前に必ず公式情報をご確認ください

ここが見どころ!

では、見どころを下記の2点に絞ってご紹介します。

  • 『窓辺で手紙を読む女』の修復過程
  • 17世紀オランダ絵画の魅力

会場内の写真は載せていません。

あまり雰囲気を伝えすぎないようにはしていますが、展示内容を知らないでおきたい方は、下のリンクで次の項目にスキップしてください。

次の項目「所要時間」にスキップする

『窓辺で手紙を読む女』の修復過程

今回の“目玉”作品『窓辺で手紙を読む女』の修復過程を楽しみに訪れる方が多いと思いますが、期待にばっちり応えてくれます。

調査で判明した事項や修復の工程など、動画も活用した解説はとても分かりやすくなっています。

「キューピッドを隠したのって、本当にフェルメールではないの?」

という一瞬頭をよぎる疑問は解消するはずです 笑

キューピッドが現れたことで作品の解釈がどう変わったのかも面白いポイントですね。

ひとつのモティーフがあるかないかで、いかに解釈が激変するのか、思い知らされます。

今まで見てきたのは何だったのか、一生懸命ひねり出されてきた解釈は何だったのか、と考えると、もう何も信じたくなくなってきます。

なかなか無い貴重な衝撃体験なので、ぜひ期待してみてください。

17世紀オランダ絵画の魅力

展覧会タイトルもポスター上もフェルメールが強調されていますが、ボリュームとしては他のオランダ絵画の方が圧倒的に多くなっています。

教会に飾る大きな絵画と違い、17世紀オランダで人気があった絵画は小さい作品が多く、画題も静物や風景などやや地味なイメージがあるかもしれません。

ですが、本展で改めてじっくり見てみると、その味わい深さに気づくはずです。

まずは画家の技量
陳腐な表現ですが、上手なんですよね。

描かれている人物の衣服や静物の描写が美しいのです。

他にも、モティーフにも様々な意味が込められていることが多いため、作品が何を伝えたいのかを深読みするのも面白いポイントです。

犬が吠えているってことは、あの人は不誠実な人なんだろうか・・・
等々、細かいところを観察して想像すると楽しいのがオランダ絵画です。

噛めば噛むほど味が出るので、フェルメールだけでなく、こちらの方も楽しみにしてくださいね。

所要時間

ショップを除いた展示部分の所要時間は、音声ガイドなしで1時間半~2時間くらいが目安となりそうです。

作品が掛けられている壁沿いに列ができていて、前の人が進むのを待ちながら鑑賞するスタイルなので、時間は長めにかかると思った方がよいでしょう。

列の後ろからササッと見られればよいのであれば、1時間半かからないくらいかもしれません。

混雑状況

会期序盤の週末に訪れた際は、まあまあ混雑していると感じました。

訪問者数が非常に多いわけではなかったのですが、作品が掛かった壁沿いに列に並んで鑑賞することがほとんどだったので、マイペースに進みづらく混雑を感じやすいのだと思います。

列に並ぶタイプが苦手な方も多いのですが、できるだけ前で見たくなるような小さな作品ばかりなので、基本的には並ぶことになると考えた方がよいでしょう。

気になるのがフェルメールの『窓辺で手紙を読む女』

宣伝では1点を猛プッシュしているので、ひと部屋が人で埋まるような凄まじい混雑ぶりを恐れていたのですが、そこまでではありませんでした。

他の作品と比べれば大きな人だかりができているものの、展示室も広いので、ぎゅうぎゅう詰め込まれている感覚にはならなさそうです。

【3月22日更新】

私が訪れた時間帯は、前後も含めて予約枠は満員の一方、当日券にはまだ余裕がある状態でした。

現在は土日祝日を中心に当日券も売りきれているので、混雑感は多少は増していると思われます。

とは言え、想像よりは混んでいなかったという声も見られますし、コロナ前のような寿司詰め状態にはしないでしょうから、覚悟して行けば意外と大丈夫かもしれません。

チケット・事前予約

訪問前に日時指定チケットを購入できます。

当日券も窓口で販売されますが、数量限定で、時間の指定はできません。

日時指定のチケットは、公式チケットサイト(ART PASS)の他、チケットぴあ等を通じてコンビニエンスストア店頭でも購入できます。

ART PASSの方は2回まで日時の変更ができる上、購入も当日の入場開始15分後まで可能なので、自由度が高くなっています。

また、小・中・高校生や18歳以下の方、無料券がある方の日時指定予約はART PASSでのみの受け付けです。

ART PASS 本展の販売ページhttps://art-ap.passes.jp/user/e/dresden-vermeer

【3月22日追記】

3月22日現在で言えることは、すぐにでも予約すべきということです。

土日祝日は既に最終日4月3日の午後を残すのみ。
もしかしたらこの記事をご覧になっている頃には売り切れているかもしれません。

平日は、午後や夕方ならまだ空きが見られますが、午前中は1週間以内の枠は埋まっていると思った方がよいような状況です。

もし平日昼間が難しければ、金曜日の夜間開館(通常17時30分閉館が20時になる)が狙い目です。

いずれにせよ、もう会期終盤に入っていると言える&上野公園はお花見シーズンで人気の時期なので、可能な限り早予約すべきです。

なお、当日券の販売状況も日に日に厳しくなっています。

平日でも1時間以上先の枠しか空いていなかったり、土日は昼頃売り切れたりと、やや争奪戦の様相を呈してきました。

当日券に特化した公式Twitterアカウントがあるので、当日券狙いならチェック必須です。

予習におすすめの書籍

今回も、私の持っている中からおすすめの書籍として『図説 オランダの歴史』をご紹介します。

その名の通り、オランダの歴史を詳しく解説している書籍です。

歴史の解説書は美術ファンにはなじみが薄いかもしれませんが、17世紀オランダ絵画を楽しむためには歴史の知識が大いに役立つのでおすすめします。

当時のオランダで絵画を好んで購入したのは裕福な市民層だ、ということは美術の書籍にもよく書いてありますが、ではなぜ市民がそんなに裕福になったのかは簡単にしか説明されていません。

また、本展でも取り上げられている通り、風景画が一大ジャンルであったのですが、歴史を知ると描かれている風景が非常に感慨深く感じられるようになります。

フェルメールもよく描いた“手紙を読む市民”や“地図”などは、当時のオランダの特殊性がよく表われているモティーフとも言えます。

詳しく説明すると長くなりすぎるのでやめておきますが、歴史の本を1冊読んで損はないはずです。

なお、本書の紹介は別の記事でも書いているので、興味があればそちらもご覧ください。

せっかくだからフェルメールの本も読みたい!という方には『もっと知りたいフェルメール』をおすすめします。

寡作で知られるフェルメールの真筆とされる全32点の図版が掲載されています。

似ているテーマの作品をまとめて扱っていることもありますが、概ね1点ずつ詳しく解説しています。

フェルメールの生涯や当時のオランダのグローバル化など、周辺事情についてもしっかりと記載があります。

図版も大きく、印刷もカラーで鮮明でバッチリ。
概要を押さえるにはこの本が最もおすすめできます。

単眼鏡は持って行こう

単眼鏡は持って行くのをおすすめします。

というのも、小さな作品が多く小道具などの描写も細かいため、単眼鏡で細部まで観察できた方が絶対に面白いからです。

特に、ドレスデン国立古典絵画館の収蔵作品の複製版画が展示されているコーナーは、単眼鏡が必須と言ってもよいでしょう。

列の後ろの方からならゆっくり見られますし、そもそも列の進みも遅いので、迷惑にならずに単眼鏡でじっくり見ることもできます。

混んでるから使いづらいかな?と諦めずに、とりあえず持って行くのをおすすめします。

展示構成

6つのテーマが設けられており、宣伝で猛プッシュされているフェルメールは1つのテーマの中に収まっています。

  • レンブラントとオランダの肖像画
  • 複製版画
  • レイデンの画家 ―ザクセン選帝侯たちが愛した作品
  • 《窓辺で手紙を読む女》の調査と修復
  • オランダの静物画 ―コレクターが愛したアイテム
  • オランダの風景画
  • 聖書の登場人物と市井の人々

途中に映像コーナーがあり、最後にショップがあります。

以上、最後までご覧いただきありがとうございました。

ドレスデン国立古典絵画館所蔵
フェルメールと17世紀オランダ絵画展
東京都美術館
2022年2月10日(木)~4月3日(日)

展覧会特設サイト:https://www.dresden-vermeer.jp/

【巡回】
北海道立近代美術館
2022年4月22日(金)〜6月26日(日)
https://www.uhb.jp/event/dresden-vermeer/

大阪市立美術館
2022年7月16日(土)〜9月25日(日)
https://www.ktv.jp/event/dresden-vermeer/

宮城県美術館
2022年10月8日(土)〜11月27日(日)

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