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重要文化財の秘密展◆今1番のおすすめ!?混雑,所要時間,チケット,見どころ紹介

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東京国立近代美術館で開催中の企画展「重要文化財の秘密」に行ってきました!

重文指定作品という「名品」が数多く見られるだけでなく、

「なぜこれが重文なのか?」
「どうして指定が遅かったのか?」

という、作品を評価する側の視点に着目しているのも面白い点でした。

美術に詳しい方はもちろんですが、最近興味を持ち始めた方に特におすすめしたい展覧会です。

以下、「重要文化財の秘密展」の見どころ混雑状況所要時間チケット情報をまとめました。

気になっている方の参考になれば嬉しい限りです。

《行く春》 川合玉堂
1916年 東京国立近代美術館 所蔵
六曲一双 各183×390cm 紙本著色

ここが見どころ!

まずは本展の見どころを以下の2点に絞ってご紹介します。

  • 作品の評価軸の変遷を考える
  • 新しい作品ならではの見ごたえ

それでは詳しくご紹介しますね。

作品の評価軸の変遷を考える

重要文化財とは、ざっくりと「価値の高い芸術品や歴史資料」と言い換えることができますが、ある文化財の価値の高低はいつの時代も一定ではありません。

現在「名作」とされている作品はいつの時代にも「名作」とされていたわけではなく、今までボチボチとされていた作品が「名作」になることもあります。

重要文化財の秘密展のテーマのひとつは、作品に対する評価の変遷

作品とともに重文に指定された時期と理由を示しながら、なぜこの時期に指定されたか、この時期まで指定されなかった、という点に着目しているのです。

評価軸の変遷に焦点を当てた展覧会はなかなかありませんが、面白く重要な観点です。

これも、重要文化財が集結する展覧会だからこそ。

作品を鑑賞する側の視点にも注目しながら、自分でも鑑賞してみましょう。

新しい作品ならではの見ごたえ

もうひとつの面白さは「見ごたえ」

どれも明治以降に作られた比較的新しい作品のため、退色や日焼けが少なく色鮮やかで、パーツの欠けも目立ちません。

言ってしまえば、美しさが保たれていて「キレイ」なわけです。

もちろん、古い作品にも味わいや歴史的価値があるのは当然ですが、新しい方が完成当初の風合いを楽しみやすいですよね。

本展の展示品も近代のものなので100年くらい前にはなりますが、それでも室町時代の屏風絵と比べればだいぶ状態が良好です。

とりわけ日本画は傷みやすく、色あせ、シミ、絵具の剥落などが発生しがちなので、古い作品ばかり目にする方には地味なイメージがあるかもしれません。

鮮やかな色合いや絵具の盛り上がりを堪能してみてください。

コレクション展も見よう

企画展「重要文化財の秘密」に関連した作品が、同時開催中のMOMATコレクション展で見られます。

東京国立近代美術館の所蔵作品から構成されるコレクション展は500円の観覧料(一般)が必要なところですが、企画展のチケットがあれば当日に限り無料でOK。

せっかくなのでぜひ立ち寄りましょう。

500円とはいえ、全体で2時間くらいかかってもおかしくないボリュームがあるコレクション展ですが、関連作品だけササッと見るなら30分くらいでも何とかなると思います。

企画展で言及があった萩原守衛の《女》のブロンズ版や、今村紫紅《熱国之巻》のもとになった《インド旅行スケッチ帳》など、見ると「これがあれの・・・!」と感動します。

他にも、華やかな花々が咲き誇る作品を集めた「春の屏風まつり」もお見逃しなく。

《桜花屏風図》 跡見玉枝
1934年 東京国立近代美術館 所蔵
六曲一双 各121×261cm 紙本彩色

・・・30分だと、後ろ髪引かれる思いで帰ることになりそうですね。。

混雑状況

会期序盤の平日午後に行った際は、そこまで混雑していませんでした。

ただ、混雑しにくい時期にしては人がまあまあいるなあ、とは思いました。

横山大観の40m超の絵巻《生々流転》など、混んでいると見づらそうな作品もあったので、できるだけ空いている時を狙うのが吉です。

ただ、混雑を避けるために最も有効なのが「会期序盤に行く」こととはいえ、展示替えの関係で終盤に行きたいかもしれません。

その場合は、金・土曜日の夜間開館を狙ったり、各予約時間帯の真ん中くらいに入場したりと、工夫してみましょう。

所要時間

重要文化財の秘密展の所要時間の目安は、音声ガイド・ショップを除いて1時間~1時間半ほどです。

人にもよりますが、音声ガイドやショップを入れても2時間あれば余裕かと。

ただ、企画展のチケットがあれば、当日のみMOMATコレクション展も見ることができます。

企画展に関連する作品も展示されているので、ぜひ立ち寄りましょう。

コレクション展も3フロアにまたがるほど充実しているので、全てじっくり見れば2時間かかってもおかしくありません

企画展関連の展示に絞れば30分くらいでも何とかなるので、時間と体力、集中力と相談しつつ、行けるところだけでも寄ってみることをおすすめします。

チケット・事前予約

チケットは当日券事前予約の日時指定券が用意されています。

当日券は窓口で購入するものですが、数に限りがあります。

また、最近はインバウンド再開の影響で、常設展目当てのお客さんが窓口に並んでいる光景を目にすることが増えました。

東京国立近代美術館の窓口も混雑する可能性があるので、できるだけ事前に日時指定券を用意しておくことをおすすめします。

日時指定券は公式オンラインサイト(e-tix)でのみ購入できます。

訪問当日の午前8時まではキャンセルできますが、日時変更は不可

お支払いはクレジットカードとd払いのいずれかです。

e-tix販売ページ:https://www.e-tix.jp/jubun2023/#tsujo

なお、音声ガイドがセットになったり、日経IDがあれば割引になったりする企画チケットは全て売り切れています。

展示替え

日本画を中心に、会期中何度か展示替えがあります。

4月17日の休館日を境に替わる作品が多いのですが、明確に会期が分かれているわけではなく、他の日に替わるものもかなりあります。

全て見るのは難しいので、展示予定を事前に確認して、絶対に見たいものを優先して訪問日を決める必要があります。

全点制覇は困難とはいえ、どれも国内の所蔵品なので、都内のはいずれ機会があると思って優先度を下げるのも手でしょう。

作品リストのPDFは東京国立近代美術館のHPからダウンロードできます。

↓作品リストのダウンロードはこちら
https://www.momat.go.jp/exhibitions/550

また、企画展特設サイトの作品紹介ページには有名どころが画像付きで掲載されているので、そちらも役に立ちます。
(演出が面白くも見にくいですが笑)

↓特設サイト「作品紹介」
https://jubun2023.jp/works

単眼鏡

単眼鏡は、持っているなら絶対に忘れないようにしましょう。

描写が細かい作品がたくさんあります。

たとえば、菱田春草《賢首菩薩》

《賢首菩薩》菱田春草
1907年 東京国立近代美術館 所蔵
185.7×99.5cm 絹本彩色

キャプションに「衣の点描に注目!」と書かれていますが、単眼鏡がないと点は見えないと思います。

《賢首菩薩》部分
よく見ると点猫がありますね。

他にも、鏑木清方の美人画でも単眼鏡が活躍しました。

衣の模様や顔の表情は拡大しがいがあります。

(著作権が切れていないので画像は載せませんが・・・。)

上記の作品の展示期間は3月17日~4月16日ですが、他にも拡大したい作品はたくさんあります。

単眼鏡は、必須!

もしまだ単眼鏡を持っていなければ、こちらの記事を参考にしてみてください

写真撮影

写真撮影はOKとNGがだいたい半々くらいでした。

展示替えもあるので正確な数はなんとも言いがたいのですが、撮影可の作品も多いのは確かです。

撮りたい方はスマホ・カメラを持ち込むのをお忘れなく。

以上、最後までご覧いただきありがとうございました。

東京国立近代美術館70周年記念展
重要文化財の秘密
東京国立近代美術館
2023年3月17日~5月14日

※訪問前に必ず公式情報をご確認ください

特設サイト:https://jubun2023.jp/

【巡回】
なし

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