東京国立博物館で開催中の「ポンペイ展」に行ってきました!
美しいモザイク画や生活感ただよう展示など、非常に興味深く面白いおすすめできる特別展でした。
以下、ポンペイ展の見どころや混雑状況、所要時間などについてレポします。
これから行こうか迷っている方、行こうとしている方のお役に立てれば嬉しい限りです。
新型コロナウイルス対策のため会期等が変更されている可能性があります
訪問前に必ず公式情報をご確認ください
所要時間
ショップ等も含めて90分以内を目安にするよう博物館から案内がありましたが、個人的にはギリギリだと思います。
映像資料も豊富で、音声ガイドもあり、ショップも面白いので、トータルで2時間かかっても全く不思議ではありません。
感覚的には、見るのが早い方なら収められるかなあ?という分量です。
ショップや音声ガイドなしなら概ね収まるかもしれません。
全点撮影OKのため立派なカメラを熱心に構えていた方もいらっしゃいましたが、おそらく90分はあっという間だったのではと推察します。
あくまでも「目安」「お願い」なので強制的に退館させられるわけではありませんが、ペース配分には注意が必要です。
混雑状況
会期初めの週末に行った際には、そこまで混雑はしていませんでした。
確かに来場者は少なくないのですが、会場が広いため、密集している感じはあまりありませんでした。
人の少ない展示品から見ることもできたので、スムーズに鑑賞できました。
会場内で会話を控えるよう案内をスタッフさんが掲げていたこともあり、全体的に静かでした。
とは言え、一般的に会期後半は混雑する傾向にある上、開幕以来SNSなどで大いに注目を集めています。
今後混雑していくと予想されるので、早めの訪問をおすすめします。
特に今は新型コロナの影響で、特別展が突然中止になる可能性もあります。
行けるうちに行っておきましょう!
チケット・事前予約
当日券も設定されていますが、日時指定の事前予約が推奨されています。
チケットはe+(イープラス)などの一般的な販売サイトでも購入できますが、何か事情が無い限りは特別展公式チケットサイトでの購入をおすすめします。
というのも、e+などでは日時指定予約まではできないため。
e+でチケットを購入した後に、公式チケットサイトで改めて日時指定予約をしなければならないのです。
どんな理由があってのこの仕様なのか分からないのですが、結局公式チケットサイトでの手続きが必要になってくるので、はじめからそこで購入してしまうのが楽なのです。
なお、中学生や友の会会員など無料で観覧できる方も、公式チケットサイトでの日時指定予約が必要です。
お忘れなく。
障害者手帳で入館される方とその付き添いのみ予約不要です。
公式チケットサイトで購入した場合、日時変更は1時間前まで3回以内で可能です。
キャンセルは前日23時59分までできますが、購入金額の10%が手数料として必要となります。
22日後までの予約ができます。
今のところ予約枠・当日券ともに余裕がある状態ですが、注目されている展覧会なので、土日や会期末は売り切れの可能性も出てきそうです。
どうぞお早めに。
【3月18日追記】
3月18日時点のチケット情報です。
予約チケットは、平日分はまだ売り切れが多発している状況ではありません。
ただし、翌日や翌々日くらいまでは、主に午前中に完売の枠が見られるようにはなっています。
土日は売り切れている時間帯が増えてきました。
直近の週末は完売していると思った方がよいでしょう。
週末の午前中が希望なら、発売が開始してすぐに予約するくらいのつもりで望むのをおすすめします。
会期末が近づくにつれて完売も早くなると思われるので、状況に変化があれば当ブログでもお知らせしますね。
当日券は平日でも夕方に完売する日も出てきているようです。
展覧会公式Twitterでは当日券情報も発信されているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
Tweets by pompeii2022予習におすすめの書籍
今回も、実際に私が持っている書籍の中からご紹介しますね。
『ポンペイ・奇跡の町 ―甦る古代ローマ文明』
ポンペイに暮らす人々の仕事や信仰といった展示が多かったテーマの他、噴火による滅亡等の展示が少なかったテーマについても解説されていて、全体像を掴むのに役に立ちます。
予習にももちろん、帰宅後に読み返すのも楽しいですよ。
カラーの大きい図版が豊富なのも嬉しいポイント。
特に、市民広場のあたりに立ち並ぶ建築の様子を、横長の折りたたみ式の紙面にずらーっと展開したページは見ごたえがあります。
商店があり、神殿があり、市場があり、と大いに賑わっていた様子が分かります。
ポンペイに特化した日本語の書籍は、いつでもどこでも新品が買えるものがあまりありません。
本書も販売状況があまり安定していないので、Amazonで無ければ楽天を、楽天でなければAmazonを探してみてくださいね。
ここが見どころ!
それでは、見どころを2点ご紹介します。
1. 彫刻やモザイク等、展示品が美しい
美術ファンにとってとりわけ嬉しいのは、展示品の見事な美しさです。
まずは彫刻。
ギリシャ彫刻の模刻をはじめ、これぞまさに西洋の人体美!という作品にたくさん出会えます。
ビビッドな演出も印象的で、やや暗い展示室でスポットライトを浴びた作品が神々しさを放っています。
黒とオレンジの壁面や台座も実に映えますね。
そしてモザイク。
細かいテッセラ(モザイク画に埋め込まれる小片)が丹念に並べられ、緻密で表現力の高い作品を楽しめます。
描かれる人々や動物たちの表情も生き生きしていて、まるでそこに本物がいるかのような存在感が伝わってきます。
他にもカメオ・グラスの壺や金の指輪など、麗しい品々がひしめいています。
制作技術のレベルの高さに驚きつつ、うっとり見惚れてしまいます。
2. ポンペイに暮らす人々の息づかい
ポンペイといえば、ヴェスヴィオ火山の噴火の悲劇。
それくらい“滅び”が有名ではありますが、本展で印象的なのは、人が暮らし発展した“生きた街”だったという側面です。
客がパンを買う場面を描いたフレスコ画や実物のパン(炭化して真っ黒だが)は、パンを売って生活する人と、買って食べて命をつなぐ人の両方の生活感が伝わってきます。
邸宅を再現した大がかりな模型は、そこに住む人の見た景色をトレースさせてくれます。
玄関先に「猛犬注意」のモザイク画を作った家の人は、自宅を泥棒から守りたいと祈ったのですね。
奴隷の拘束具には、豊かで煌びやかな生活を下支えした“人間”の存在にハッと気づかされます。
今でこそポンペイの存在は遺物を通してからしか確かめることはできませんが、かつて美しい彫刻やモザイク画を愉しんだ人々や、それを支えた奴隷、職業生活を送っていた仕事人たちが生きていたことを実感させてくれました。
住民の実在感も、大きな見どころと言えるでしょう。
カメラと単眼鏡が必須
最後に持ち物について。
カメラと単眼鏡はお忘れなく。
全点撮影が許可されています。
しかも、作品自体はもちろんのこと、ライトの当て方や会場の雰囲気も写真映え抜群。
撮り甲斐があること間違いなしなので、気合い入れてカメラを持っていく価値があります。
また、モザイク画や装飾品は、細部までよくよく味わいたいところ。
単眼鏡を持っていかなければ後悔します。
以上、最後までご覧いただきありがとうございました。
★特別展 ポンペイ 東京国立博物館 平成館
2022年1月14日(金)~4月3日(日)
特別展特設サイト:https://pompeii2022.jp/
巡回
京都市京セラ美術館 2022年4月21日~7月3日
九州国立博物館 2022年10月12日~12月4日
宮城県立美術館 2022年7月16日~9月25日